本の紹介

読んで面白かった本を紹介しようと思います

湯神くんには友達がいない(1作品目)

 何となくやりたくなって今回から本の紹介を始めます。小さい頃から続いてる数少ない趣味である漫画も、この20年弱で色々な作品を読んできて、自分の中でのお気に入りも積み重なってきました。そういう訳でこれまでに読んだ本(ほぼ漫画だろうけど)の中でも面白かったり、印象に残ったりしてるやつを少しずつ紹介していこうと思います。紹介するやつは既に完結してるやつです。何となく未完のやつって今後どうなるか分からんしこういうテイストので紹介しにくい感じがするんですよね。あと、ネタバレは基本書きません。自分がネタバレ嫌いなんで。

 

湯神くんには友達がいない」 佐倉準 小学館 全16巻

 

 最初に紹介するのは何にしようかなーと思っていた中で、色々と考えて今回はこの作品にしました。この作品は、2012年から2019年辺りに主に週刊少年サンデーで月1回連載されてました。週刊誌の中に月1回連載される作品を4つ作って、それを毎号1つずつ載せるという珍しい連載形式で行われていた作品の1つです。

 

 簡単なあらすじは、クラスメイトから距離を置かれているものの、その状況を満喫している変わり者の高校生・湯神裕二と、内気な転校生・綿貫ちひろを始めとした周囲の人々の日常をコミカルに描いた作品といった感じです。(wikiのパクリです)

 

 この作品を最初に紹介しようと思った理由は2つあるんですけど、まず1つはシンプルに内容の面白さです。一時期流行ったお一人様コメディという枠の中では勿論、近年のサンデー作品という枠で見ても最上級の面白さを誇っていると思います。

 ストーリー面は、シュール系のコメディが軸にありながらも、高校生が主人公ということもあって学園青春要素もあったり、うっすらとラブコメ要素があったり、野球要素があったりでイメージだと青春・ラブコメ要素を抑えて、コメディ要素を強めたあだち充的な雰囲気を感じさせるものです。

 個人的には3巻がお気に入りで、その中でも湯神くんの後輩門田がビデオテープ編集する回(11話)が凄く好きです。他にも手芸部の後輩との話(75話)など個々のストーリーも良いんですけど、この漫画に関しては読後感がとにかく最高です。近年ここまで上手く綺麗に完結した作品というのもないんじゃないかなというレベル。伏線云々とかそういう部分もなくはないけど、本当に美しくまとまったストーリーで何回読んでも惚れ惚れします。

 

 登場人物に関しても、それぞれ個性は強いけど嫌味がないんですよね。主人公もこういう日常系の学園ものだとかなり癖があるタイプなんですけど、どこか共感出来たりする所もあったり、変化が見られる所もあったりでなんか憎めない感があります。だから嫌になる様なキャラがいなくて、読んでいて凄く心地いいです。あと、登場人物の強い個性が本当に絶妙なバランスで混ざり合っていて、変な人ばかりの世界なのにそこに違和感を覚えずにスラスラと読むことが出来ると思います。

 そんなこんなで、ストーリーだけでなく登場人物にもオンリーワンの良さがあって、内容の面白さを構成していると思います。

 

 ここまで熱もこもってかなり長くなっちゃいましたけど、この漫画を紹介したいもう1つの理由にいこうかなと思います。ストーリーの良さとも少し被るんですけど、2つ目は漫画の尻上がり感です。これだけじゃ何のことだいとなるんですが、簡単に言えば後半になるにつれてどんどん面白くなるってことです。

 ある程度巻数を重ねた漫画だと途中どうしてもダレる部分はあるし、それは仕方ないことだと個人的には思ってます。けど、この漫画に関しては若干スローな入りとは言え、本当に巻数を重ねるごとに加速度的にどんどん面白くなるんですよね。構成の面で最初から最後まで無駄がなくて、ずっとエンジンを踏み続けられている漫画ってのはこの巻数だと中々ないと思います。

 あと、この尻上がり感を取り上げたのは、この類の良くも悪くもキャラの強さで勝負するコメディものってどうしても出オチになるのが多いってのもあります。最初は設定とかも凄い面白いのに、その後は中々最初の印象を超えてこないやつがこの類の漫画だと凄く多かったのもあって、そうではないこの作品は凄くオススメしたくなります。

 

 以上がこの漫画を紹介した2つの理由になります。長いですね。もっとスッキリして読みやすい文が書ければいいんですけど練習ですね。

 この漫画は、サンデーうぇぶりというアプリで1日1話読めますので興味がある方はぜひ読んでみて下さい。ジャンプやらマガジンやらチャンピオンやらどの雑誌にもないサンデーらしさが存分に詰まっていて、サンデーの教科書の様な作品です。絵柄も癖が無くて、取っ付きやすいと思うので是非。